個人制作ネタの考え方
1.「描きたいもの」と「描けるもの」
作家には「描きたいもの」と「描けるもの」があるんだよ。そして、作家が「描きたいもの」は大体コピーなの。既製品の何かで、その人がそれまでの人生で憧れてきたものでしかない。
2.「クローズドな環境」と「有料の場」
コンテンツが生まれるときに、クローズドな環境であることと、有料の場であることは欠かせないんですよ。でも、インターネットにはその両方がないじゃない。
その昔、桜井正博さんがファミ通コラムを書くのをためらった理由として
ことを懸念されていたのを思いだしました。
クローズドな環境というのはそういうことだろうか。
SNSにツイートすると満足してブログ書かない、という風に。
満足できる環境からは、革新は生まれない、とも言えます。
なので、自分を追い込む環境を作ることが重要、なわけですね。
プロスポーツ選手からよく聞く話ですし、
小説家の方がホテルに缶詰め、なんてハナシもよく聞きます。
個人制作の場合、積極的に「評価」を受けられないため
目標がブレてしまったり、モチベーションが保てないことが多いですね。
イマドキだと、SNSの発信を生かして自ら評価を受け、反応をもらうことで
モチベーションを維持する手法が推奨されていたりします。
ただしこれは、学習目的や、α版、β版といったある程度の区切りでやるべきでしょう。
創作物は嗜好品であり、消費されるものです。
初めて目にしたときの感動、ワクワク感を演出したい場合は、
3.「ゲームならではの良さ」について
4.「まとめ」
utymapで現実世界を散歩してみた
現実世界を散歩するとか、当たり前すぎて何言ってるの?という感じですね。
今回は、以前からやりたかった「現実世界の地図データ」を用いて、
アプリに現実世界を取り込んでしまおう!という試みです。
地図データは、オープンソースで公開/制作されている「OpenStreetMap」が使えます。
OpenStreetMap Japan | 自由な地図をみんなの手に/The Free Wiki World Map
このOSMのデータを解析して3Dモデルを描画するしくみとしては、
すでに「ActionStreetMap」というライブラリがあります。
こちらもオープンソースですね。
しかし、このActionStreetMapは開発が終了?しており、
後継の「utymap」を現在開発中のようです。
今回はこのutymapのデモを動かすところまで、を試してみました。
utymapの環境準備と各種ソースのビルド
utymapはプラットフォーム非依存の「core」DLLと、
Unity向けのデモソースが付属されています。
これらの環境を用意するための奮闘記録はWikiにまとめています。(丸2日かかった)
デモで遊んでみる
起動できたら、「PlayGame」を選択します。
「Start location」の「Name」欄に地名を入力し、「Search by name」すると、
検索結果がいくつか出てくるので、訪れたい場所を選びます。
(漢字もうけつけるが、たまに中国の地名と被っていることもある)
「Use device location」というのは恐らく、Androidなんかで
端末から位置情報を取得できるのではないかと思いますが、
今回はWindowsPCでの実行なので使えませんでした。
「Select scene」でデモの種類を選択すると、始まります。
- 「Street level」:キャラクターを操作して歩く3Dデモ
- 「Bird eye level」:真上から見た平面図デモ(操作不可)
- 「Globe level」:地球儀風デモ(操作不可)
↓Street level はこんな感じ
建物はだいたいキューブになっています。
高さが一律で適当なのか、超高層ビル群みたいになっています。
マップはタイル式になっており、端まで行くと
ストリーミングで次のマップが読み込まれます。これぞオープンワールド。
推奨される使い方としては、マップデータをローカルで持っておいて
オフラインで動くようにすること、なので、あくまでデモ用ですね。
よし、家の近所から南下して、淀川越えをやってみよう!
と思って歩いたところ、
橋がない!詰んだ!(もちろん水面ポリゴン上も歩けますが)
プロシージャルメッシュでTerrainを生成している都合上、制約は多いですね。
- トンネルは作れない(高架下をくぐる、とかできない)
- 標高データの反映はまだ(山、坂道、丘)
- 特徴的な建物は自前で差し替えが必要
現実世界を取り込むのは難しい・・・ということがこのデモでわかりました。
ただキューブが並んでいるだけでは、今どこにいるのかさっぱりわからないのです。
しかし、「埋め込まれたスポット情報を基になにかをする」
ということが期待できるので、可能性は広がりましたね!
2016年のふりかえりと未来の話
新年 あけまして おめでとうございます。(2017年、平成29年)
長らく放置しておりました当ブログですが、
方向性を変えて復帰することにしました。
まえおき
まず、ブログに技術情報を載せると、一覧性に欠ける(サイト内検索前提になる)
のが微妙だったので、独自のwikiにまとめることにしました。
http://chronoa.com/wiki/index.html(自宅サーバー移行につき閉鎖)
http://chronoa.dip.jp/chronote-wiki/index.html
それと、資産を外部のWEBサービスに全てのっけるのも微妙かなぁと。
なくなってもいいと思えるもの(宣伝ページなど)を外部に委ねるのが
個人的な理想となりました。
今後ブログには、Unityに限らない雑記とかが増えるかと思います。
Twitterで連投するにはちょっと・・・といった話とか。
ちょっとつぶやいたけど深く追いかけてみた話とか。
2016年のふりかえり
- チュウニズムとチュウニプレイヤーとの出会い
- 旨い酒の楽しみ方を知る(ゲームバーにて)
- 日本人にはウケないが、アジア人にはウケが良いことを知る
- ここでは言えないなにかを知る
- はじめてスマホゲーム(シャドウバース)にハマり課金デビュー
- 個人制作がちょびっと進んでやりたいことが見つかる
- 空き時間でUnreal検証をしたら次の仕事で使えるようになる
- VRの仕事に携わり始める
- 多いので以下略
なんだかんだ、仕事もプライベートも濃い一年でした。
現実逃避で始めた遊びも、いい経験になりました。
2017年の目標
- VR出展で世界に恥じないものに仕上げる
- 社内勉強会の習慣づけ
- 顧客の都合に左右されない開発環境の構想を練る
- 個人制作をなんらかの形で公開
仕事がたいへん充実しております。
プライベートがどうなるかは、まったく予測がつかないです。
人との交流を増やしたい。そのために発信せねば。
その先の未来の話
上記「顧客の都合に左右されない開発環境の構想」の詳細です。
恐らくNDA的な関係で語られてはいませんが、Unrealを採用するには予算的に厳しく、
顧客としては都合が悪い場合があります。
そのため、Unreal採用を前提に組織を作ると、安定性に欠けてしまいます。
(フリー版を採用できれば、それがベストですが・・・ロイヤリティが足を引っ張る)
Unityでワークフローを整えたほうが会社的には(顧客的にも)嬉しいという結論になったので、
Unityのベストワークフローを構築し、アドバンテージを生む以下構想(仮)。
・ビジュアルスクリプティング環境をひとつ確定する(Unity公式が対応するまでの繋ぎ)
→他セクションを巻き込んだワークフローへ移行
→エンジニア工数の削減
・各ジャンル別にプロトタイプが作りやすい環境を用意
→ゲームデザイナー主導によるイテレーション効率化
・グラフィックス表現調整に必要なスタッフを安定化
→ShaderForgeを標準と確定して学習する
・ゲーム系エンジニアは、全員エディタ拡張を学習し、ツール作成と挙動実装に集中する
→エンジニアが本来やるべき仕事の実現
・システム系エンジニアは、汎用ライブラリの設計/実装
→すべてのプロジェクトで使える理想的で安定したシステムを実現
・エンジニア工数が空いたら
→さらに技術研究を進めて組織全体の価値を向上
ここまで完全なものにするには、3~5年くらいかかるのでは、と思っています。
幸いにして、Unity経験者の方が圧倒的に多い時代なので、
「組織的なルールが整っていること」が最初の一歩、でしょうか。